ITABASHI MEDICAL SYSTEM
下肢静脈瘤
SHIN – KATSUSHIKA HOSPITAL
Shigehiko Yoshida, M.D., Ph.D.
下肢静脈瘤とは?
静脈瘤は、二本足で歩く人間にとって
宿命というべき病気・・・?
二本足で歩く人間の場合、足の静脈は重力に逆らって
流れなくてはならないため、他の静脈より流れにかかる
負担が大きく、そのために弁の機能がうまく働かなくなり
この静脈弁の障害により血液が逆流する病気が静脈瘤
です。
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下肢静脈瘤の頻度・症状
※足の静脈が拡張し、蛇行する病気
※症状:足のむくみ、はれ、易疲労性、熱感、皮膚の
色素沈着、湿疹、潰瘍等
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肺動脈血栓塞栓症
血栓
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治療方法
• 弾性ストッキング
• ストリッピング手術
• レーザー治療
• ラジオ波治療
• その他
(硬化療法・高位結紮)
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ストリッピング
ストリッピング手術は、100年も前からおこなわれている
手術である。
大伏在静脈あるいは小伏在静脈といわれる太い静脈を
引き抜き、さらに小さい皮膚切開により静脈瘤を切除する
ものです。多くは全身麻酔でおこなわれる。
手術の傷跡が残り、1~2週間の入院を必要とするが、ど
んな大きな静脈瘤でも確実に治療ができる。
当院では、1泊2日または2泊3日
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ストリッピング手術(内反法)
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静脈瘤切除のminimum incision
従来の皮膚切開
minimum incision
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レーザー治療
静脈にレーザーファイバーを挿入
し静脈内を熱で焼き閉鎖する治
療法。
下肢静脈瘤の病態に応じて適切
なレーザー及び波長を選択して
いる。
レーザー後の静脈は数ヶ月経過
し繊維化する。
・侵襲が少ない。
CTEVエンドレーザー(アメリカ製)
・手術時間が短い(約1時間)
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血管内レーザー照射による
血管閉塞のメカニズム
血管内レーザー照射
Laser
熱による血管壁の損傷
血管の収縮
血管の閉塞・血流の遮断
下肢静脈瘤の改善
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レーザー治療
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ラジオ波治療
カテーテル(使い捨て)
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ラジオ波手術
高周波と980nm レーザーとの
相 違 点
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最新の高周波(ラジオ波)
120 ℃
・低温のため周囲組織へのダメージが少ない
・血管壁に対して垂直方向であり深部静脈への血栓伸展が生じにくい
従来の980nmレーザー
800 ~1200℃
・高熱による周囲組織へのダメージが大きい
・レーザー直進性による深部静脈への血栓伸展
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主な利点
○ 手術合併症である深部静脈血栓伸展が少ない
○ 術後のヒリヒリした痛み・突っ張り感が少ない
○ 術後の内出血(青あざ)が少ない
○ 静脈焼灼の焼きムラが出来にくい
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手術合併症である深部静脈血栓伸展が少ない。
レーザー
E-HIT class Ⅰ: 8肢/456肢
E-HIT class Ⅱ:11肢/456肢
E-HIT class Ⅲ: 1肢/456肢
E-HIT class Ⅳ: 0肢/456肢
計 20肢/456肢 4.3%
高周波(ラジオ波)
全クラス 0肢/60肢
1.7% →全例経過観察
2.4% →抗凝固・観察
0.2% →血栓除去術
0%
0%
(当院における2012年4月~2014年10月までの症例において)
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術後のヒリヒリした痛み・突っ張り感が少ない。
980nmレーザー治療後は半数以上の方が術
後のヒリヒリした痛み・突っ張り感(時にはかな
り強い事も)を訴えられます。
高周波手術(現在60肢)では痛みを訴える方
がほとんどいません。
注:統計は取っていません。外来での印象です。
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術後の内出血(青あざ)が少ない
高周波手術後の内出血写真
淡く出ているのみ
レーザー術後の典型的な広範囲な
内出血より小さく、目立たず、少ない
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術後
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静脈性下肢潰瘍手術症例
63歳、男性
下肢の色素沈着、歩行困難、
足部びらん・潰瘍
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手術シェーマ
血管径太く・蛇行あり
レーザーは適応外
TR Ⅳ°のため、静脈圧が
高くストリッピング術は困難
→
高位結紮術・分枝結紮術へ
変更
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術後①
術前
術後
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術後②
術前
術後
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入院の目安
• 日帰り手術 (局所麻酔症例におすすめ)
• 一泊手術 (全身状態良好,重症例)
• 2泊3日手術(高齢者、リスクがある人)
• 原則的には、歩いて,(自転車)退院します。
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