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đặc điểm văn hóa của các con số từ 1 đến 10 trong thành ngữ tiếng nhật – đối chiếu với tiếng việt và đề xuất phƣơng án giảng dạy, dịch thuật thành ngữ tiếng nhật có từ chỉ số từ 1 đến 10

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ハノイ国家大学
外国語大学
---***---

NGUYỄN THỊ THU HƢƠNG

日本語の慣用句における「一」から「十」までの数字の文化特徴・
ベトナム語との対照・
「一」から「十」までの数字を含む日本語の慣用句の教授法と翻訳の提案
Đặc điểm văn hóa của các con số từ 1 đến 10 trong thành ngữ tiếng Nhật –
Đối chiếu với tiếng Việt và đề xuất phƣơng án giảng dạy, dịch thuật thành
ngữ tiếng Nhật có từ chỉ số từ 1 đến 10
修士課程論文
専攻:日本語学(研究方向付け)

ハノイ2019年3月


Đại học Quốc Gia Hà Nội
Trƣờng Đại học Ngoại Ngữ
---***---

Luận văn Thạc sỹ

Đề tài

Đặc điểm văn hóa của các con số từ 1 đến 10 trong thành ngữ tiếng Nhật –
Đối chiếu với tiếng Việt và đề xuất phƣơng án giảng dạy, dịch thuật thành
ngữ tiếng Nhật có từ chỉ số từ 1 đến 10

Giáo viên hướng dẫn:


Học viên:
Ngày sinh:
Khóa:
Chuyên ngành:

PGS.TS Ngô Minh Thủy
Nguyễn Thị Thu Hương
10/01/1993
QH2015
Ngôn ngữ Nhật Bản (định hướng nghiên cứu)

Hà Nội, tháng 03/2019


警告
この論文は私の個人的な研究論文である。指導教官はゴ・ミン・トュ准教授・博
士である。 データ、結論この論文で発表された研究は完全に正直である。 私はこ
の保証に対して全責任を負う。
大学院生
グエン・テイ・トュ・フオン


謝辞
本研究を逐行し学位論文をまとめるにあたり、終始暖かい激励とご指導、ご
鞭撻を頂いたハノイ国家大学外国語大学ゴ・ミン・トュイ准教授・博士に心より感
謝を申し上げます。修士課程への進学及び研究全般にわたる多大なご支援やご指導
をしていただいた先生たちに深く感謝致します。先生方のご助言やご指導なくして
は、本論文の完成は不可能であったことを記すとともに、深甚の謝意を表します。
そして、学位論文審査において、貴重なご指導とご助言を頂いたハノイ国家
大学外国語大学の先生に深く感謝致します。修士課程進学から現在にわたり温かく

見守っていただくと共に、多くのご支援を贈りまして謝辞を表します。さらに、修
士課程在学中、同期生や先輩たちの存在が、研究を進めていく上で、大きな励みとな
ったことを心より感謝を申し上げます。
最後に、本研究を進めるにあたり、ご支援、ご応援、ご協力を頂きながら、
ここにお名
前を記すことが出来なかった多くの方々や友達たちや家族に心から感謝を
捧げます。
Nguyen Thi Thu Huong
2019年03月


目次
序論........................................................................... Error! Bookmark not defined.
1.研究の背景と目的............................................. Error! Bookmark not defined.
2. 先行研究.............................................................. Error! Bookmark not defined.
3. 研究の対象と方法.............................................. Error! Bookmark not defined.
4. 論文の構成.......................................................... Error! Bookmark not defined.
第一章....................................................................... Error! Bookmark not defined.
日本語とベトナム語の慣用句及び慣用句における数字及び翻数字を含む慣用
句の概要・日越語の慣用句における「一」から「十」までの数字の文化的特

.................................................................................................................................Erro
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1.1. 日本語とベトナム語における慣用句と数字を含む慣用句の概要 ...Error!
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1.2. 日本語とベトナム語の数字を含む慣用句の概要Error!
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1.3. 慣用句における数字の概要 .......................... Error! Bookmark not defined.
1.4.
翻 数 字 を 含 む 慣 用 句 に 関 す る
...............................................................Error! Bookmark not defined.





1.5. 日 越 語 の 慣 用 句 に お け る 数 字 の 文 化 的 特 徴
...............................................................................................................................Error
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1.6. 本章のまとめ................................................... Error! Bookmark not defined.
第二章....................................................................... Error! Bookmark not defined.
ベトナムにおいて日本語の「一」から「十」までの数字を含む慣用句の教授
及び総合練習の提案............................................... Error! Bookmark not defined.
2.1. 日本語の慣用句の教育の必要性 .................. Error! Bookmark not defined.
2.2. 「 一 」 か ら 「 十 」 ま で の 数 字 を 含 む 慣 用 句 に 関 す る 教 授
法...............................................................................................................................36
2.3. 「 一 」 か ら 「 十 」 ま で の 数 字 を 含 む 慣 用 句 の 総 合 練 習 の 作 成
...............................................................................................................................40
1


2.4.本章のまとめ.................................................................................................... 55
第三章....................................................................................................................... 56
日本語からベトナム語に「一」から「十」までの数字が含まれた慣用句の訳
................................................................................................................................... 56

3.1. 数字を含む慣用句の訳の分類.......................................................................57
3.2.
慣 用 句 の 数 字 を 含 む 慣 用 句 の 訳 の 方
法...............................................................................................................................58
3.3. 「一」から「十」までの数字を含む慣用句をベトナム語に数字を含む慣
用句の訳す方法....................................................................................................... 59
3.4. 「一」から「十」までの数字を持っている慣用句を日越数字を含む慣用
句を訳す際の注意すべきの事 .............................. Error! Bookmark not defined.
3.5. 本章のまとめ................................................... Error! Bookmark not defined.
結論と今後の課題................................................................................................... 68
参考文献................................................................................................................... 71

2


省略
本論文において日本語とベトナム語の慣用句における「一」から「十」まで
の数字の文化的特徴と教授と関連の練習と訳の仕方を述べた。その結果、以下の通
りに結論付ける。
第1章は慣用句の定義を表した。慣用句は二つ以上の語から成るが、文節
以上の構成であり、基本的に、定型的な形式構成を持ち、表現全体で示す意味とし
ては一語であるが、統語上ではいくつかの構成要素から成り、表現全体で一つのま
とまった意味を表すものであり、構成語彙の個々の意味からは想定しにくく、語彙
・統語的に分析不可能な点、比喩的な意味が多い。ベトナム語と日本語の慣用句に
おける「一」から「十」までの数字の文化的特徴を示した。ベトナム語の慣用句に
おける数字の文化的特徴は四つある。自然についての認識と社会についての認識と
時間と空間の数え方と産物、物事の勘定、測定を表す。日本語の慣用句における「
一」から「十」までの数字の文化的特徴は四つある。社会についての認識と日常の
場面と外見の状態と人の気持ちと励むことと人の性格と避難を表す。日本語の慣用
句における数字は時間と空間の数え方と産物、物事の勘定、測定を表さない。その

文化的特徴に対して、慣用句の代わりに、四字熟語がよく使われている。そして、
日本は工業国なので、慣用句における数字の文化的特徴は物事の勘定、測定を表さ
ない。
第2章は「一」から「十」までの数字を含む慣用句の教授法と練習システ
ムを提案した。簡明さ、均整、調和、リズム、言外を含む法と民族の文化的な本色
の反映という特徴によって、「一」から「十」までの数字を含む慣用句は学習者用
の会話の基準についての教授における教材と日本語の単語練習における教材として
使われるべきだと思う。「一」から「十」までの数字を含む慣用句の教授法に関し
3


ては、三つの教授法ある。コンテキストにおける「一」から「十」までの数字を含
む慣用句の教授(Teaching Idioms in
Contexts)と豊かなイラストレーションによる教授法 (rich
Illustrations)とグループディスカッションによる教授法 (Group
Discussion)である。「一」から「十」までの数字を含む慣用句の練習のは慣用句
を豊かにするためのと慣用句の使用の問題という2つの種類によって構成されてい
る。各種類は多くの小さいグループとフォームに分けてある。
第3章は「一」から「十」までの数字を含む慣用句の訳のことについて述
べた。数字を含む慣用句の訳す技術は厳正で複雑なのである。数字を含む慣用句の
訳す技術は様々な形があり、基準は「信・達・雅」の一つしかない。異なる文書を
数字を含む慣用句を訳す時、異なる要求がある。数字を含む慣用句の訳す技術には
、様々な方法と手法があり、異なる場合や文脈に応じて適当な数字を含む慣用句の
訳す方式を選択すべきである。数字を含む慣用句を訳す時、主に修正加え逐語訳、
相当の慣用句の訳、意味の訳という三つの訳し方が使われている。どんな方式でも
、数字を含む慣用句を訳す時、意味変更または具体文脈に十分注意しないといけな
い。

4



序論
1.研究の背景と目的
数字は生活によく使われているが、数字ずつ特徴的な意味及び文化的特徴の
意味がある。国によって、文化が違うので、その意味も変わる。数字は文化形態の
一種として単なる数値の記号あるいは数字の概念だけではなく、人類文明の発展の
過程で異なった世界観、哲学観、宗教観、価値観と審美観を反映したり、象徴した
りする、かなり強く民俗文化的特徴を表現している。例えば、唐向 紅、 鷲尾 紀吉
『中国と日本の数字文化における比較研究』によると、日本人は奇数(特に1、7)
が好きなのに対して、中国人は偶数(特に6、8)が好きだと報告している。
日本語とベトナム語も他の言語と同様に、慣用句を豊富に持つ言語である。
また、慣用句は人間の生活から生まれたので、数字と同じで、その国の言語独特の
伝統、生活習慣や国民性や世界観や風俗習慣など色濃く反映している。それで、日
本語とベトナム語の慣用句の用法・解釈が深く理解出来るように、言語研究だけで
なく、異文化理解においても欠かせないものとなる。
現在、ベトナム語では、日本語の教授がますます発展していくとともに、若
者にも人気がある言語だということである。慣用句を勉強すると、日本語の学習者
は特徴的な意味だけではなく、日本とベトナムの文化もより深く理解出来ることが
見える。しかし、ベトナムにおける使用されている日本語の教科書と授業では、日
本語とベトナム語の慣用句のことがまだ挙げられていない。慣用句に関する基礎教
授が不十分で、発想や論理的思考ができない、練習を受けていない学習者、一般人
が増えている。
本研究の目的は、日本語とベトナム語の「数字」を含む慣用句を対象に慣用
5


句における使われた「一」から「十」までの数字の文化的特徴的な意味を明らかに
することと共に、さらに、「一」から「十」までの数字を含む慣用句の教授と訳の
仕方を述べて、日本とベトナムの文化をより理解させることである。
Ngơ Minh Thủy (2012:124-125)によれば、日本語の慣用句における数字につい

ては「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、36、50、99、100、180、300、1.000、10.000」
という数学と「半、両」という数量詞であると指摘されている。Hồng Hữu Dung、 Đỗ
Thị Hồng Nhung (2017)は「漢語における慣用句と諺の特徴的な数字について」では
漢語における数字を表す256の慣用句と諺を考察・分析を行い、漢語における16の特
徴的数字を指摘した。これらの数字は「1/2、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、100、
1.000、10.000、100.000、1.000.000」となっていた。以上の2つの研究から分かるよ
うに、数的にはベトナム語と日本語の間、一から十まにおける数字の出現頻度が一
番多いことが見える。本研究では、「数字」を含む日本語とベトナム語における慣
用句の中でも、一から十まにおける数字を含む慣用句を研修対象とする。「一から
十まにおける数字」を対象にすることにより、日本語とベトナム語の数字について
の観点だけではなく、両国民の感情を始めとする精神的な面も明らかにできると思
われる。
2. 先行研究[hc1]
日 本語に おけ る 動物 や 自然や 人の 体や 色 などに関 する 言葉 を 使った 慣
用 句の研 究は数多 くあるが 、数字 [u2]に関してはまだ 尐 なく、特 に、慣用句に
使われた数字の文化的特徴と数字を含む慣用句の教授と訳の仕方に関する
研 究は ほ とんどないようである 。関連の 研究は以下のように紹介する。
 Giang Thị Tám (2001)は数字を表す言葉を使った慣用句についての研究で、
漢語の慣用句を考察しながら、ベトナム語の相当の慣用句との対照分析を行った。
また、研究で一般的慣用句と漢語の慣用句における文化的特徴も取り上げた。


Hồ Thị Hoài Nam (2018)は日本語とベトナム語の「数字」を含む慣用句の形

式的・統語的・意味的な分類や考察を行ってきた。その結果、以下の通りに結論付
6


ける。日本語とベトナム語の慣用句における数字の意味用法を比較することを通し
て、両国の数字文化の共通性について概観した。さらに、数字が両国それぞれの文

化背景において異なる文化要素を形成したこと、そして、数字言語に含まれる文化
的な意義を一側面ではあるが、両国の民族文化の特色として、垣間見ることができ
た。また、言語は孤立して存在しているのではなく、民族文化に深く根を張り、そ
の民族の価値観、信仰、民族感情を反映していることが見受けられる。慣用句にお
ける数字を言語とする運用を通して、改めて数字と民族の生活、大自然との関係を
理解することができ、数字がそれぞれの民族の文化心理、思惟方式及び風俗、生活
方式に深く影響を及ぼすことを再認識することができる。
 Ngơ Minh Thủy (2012)は「日本語の慣用句と慣用句理論」で、日本語の慣
用句において、よく使われている「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、36、50、99、
100、180、300、800、1.000、10.000」という自然数字と「半、両」という数量詞を
示した。さらに、これらの数字は個々の数の意味をもっているが、慣用句の構成要
素として使われた場合、ほとんど本来の意味を表さずに、「尐し、たくさん、多数
…」のような一般的数量の意味を表すという特徴を取り出した。
 Hồng Hữu Dũng・Đỗ Thị Hồng Nhung (2017)は「漢語における慣用句と諺
の特徴的数字について」では漢語における数字を含む 256 の慣用句と諺を考察・分
析を行い、漢語における 16 の特徴的数字を指摘した。これらの数字は「1/2、1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、100、1.000、10.000、100.000、1.000.000」となっていた。
また、研究では漢語とベトナム語の同異点を明らめにした。
 Trần Thị Lam Thủy (2013)はベトナム語の慣用句と諺に使われた数字の文
法的特徴と意味的特徴を取り上げた。慣用句と諺における数字の使い方通り、ベト
ナム人の文化とベトナム人の考え方に基づいたことを明らかにした。
以上の研究を踏まえ、本研究は日本語の慣用句における「一」から「十」
までの数字の文化的特徴を明らかにし、ベトナム語の慣用句のと比較する。Hồ Thị
Hoài Nam の論文の日越語の慣用句における全ての数字の文化的特徴の分析と違い、
本研究は日越語における「一」から「十」までだけの数字のを出す。Hồ Thị Hoài Nam
7


の論文のいい意味と悪い意味の集中の数字の文化的特徴と違い、本研究は各のグル
ープに分ける。詳しくはベトナム語の慣用句における数字の文化的特徴は自然につ

いての認識と社会についての認識と時間と空間の数え方と産物、物事の勘定、測定
という四つある。日本語の慣用句における「一」から「十」までの数字の文化的特
徴は社会についての認識と日常の場面と外見の状態と人の気持ちと励むことと人の
性格という四つある。その他、日本語の慣用句の教授法と総合練習と訳の仕方を挙
げる。
3. 研究の対象と方法
3.1.

研究の対象
「一を聞いて十を知る」(”học một biết mười”)「一石二鳥」(”một công đôi

việc”)のような数字を含む慣用句は日本とベトナムの日常会話や文章などに、かな
り出ている。数字といえば、『大辞林』(1988:1268)により、「数を表す文字」
と定義され、漢数字(一・二・三…)、アラビア数字(1・2・3…)、アラビア数字
などを含んでいる。本研究は日本語とベトナム語の慣用句辞典を資料とし、1 から
10 まで、百、千、万などのような自然数字を表す言葉を使った慣用句を研究対象と
し、考察・研究する。
以下は日本語とベトナム語の慣用句辞典のリストである。
①五上宗雄(1992)『例解慣用句辞典』創拓社出版
②三省堂編集所(2010)『故事ことわざ・慣用句辞典第二版』三省堂
③Nguyễn Lân (2014), Từ điển thành ngữ tục ngữ Việt Nam, NXB Văn học
④Hoàng Văn Hành (2008), Thành ngữ học Việt Nam, NXB Khoa học xã hội
3.2.

研究の方法

 慣用句の収集:日越語の慣用句における「一」から「十」までの数字の文化的
特徴を明らかにするために、以上述べた辞書における「一」から「十」までの
数字を含むの日越語を収集した。


8


 分析・比較:収集した慣用句のデータを分析して、日越語の慣用句における「一」
から「十」までの数字の文化的特徴を明らかにし、比較した。
 考察・参考・分析:日本語の慣用句の教育の必要性と訳における学習者の間違
いやすいところを明らかにするために、ハノイ国家大学外国語大学付属英才高
等学校の日本語の学習者に対するアンケートを行った。それに、先行研究を踏
まえた上で、「一」から「十」までの数字を含む日本語の慣用句の教授法と総
合練習と訳の仕方を出した。
4. 論文の構成
本研究は序論・本論・結論の3つの部分から構成されている。
序論では、研究の背景と目的、先行研究、研究の方法、研究の対象について
述べる。
本論は第1、2、3章という三章から構成されて、次のように展開される。
第1章:日本語とベトナム語の慣用句及び慣用句における数字及び翻数字を
含む慣用句の概要・日本語とベトナム語の慣用句における「一」から「十」までの
数字の文化的特徴
本章では、日本語とベトナム語の慣用句及び慣用句における数字及び翻数字
を含む慣用句の概要を述べる。数字を含む慣用句と慣用句の教授法と翻慣用句につ
いての先研究のいくつかの認定を紹介する。日本語とベトナム語の慣用句における
「一」から「十」までの数字の文化的特徴を明らかにする。
第2章:

日本語の「一」から「十」までの数字を含む慣用句の教授及び総

合練習
本章では、数字を含む慣用句の教え方と関連の練習を述べる。
第3章:


日本語からベトナム語に「一」から「十」までの数字が含まれた

慣用句の訳
本章では、日本語からベトナム語に「一」から「十」までの数字が含ま
れた慣用句の訳の種類と方法を述べる。
9


結論では、研究のまとめ、及び今後の課題を示す。
最後に考察文献、本論文のテーマに関する公開の研究, 謝辞、付録を記す。

本論
第一章
日本語とベトナム語の慣用句及び慣用句における数字及び翻数字を含む慣用句の
概要・日越語の慣用句における「一」から「十」までの数字の文化的特徴

1.1. 日本語とベトナム語における慣用句と数字を含む慣用句の概要
日本語とベトナム語における慣用句の定義と対象範囲は研究者により異なる。
以下、日本語とベトナム語における慣用句の定義をそれぞれ確認していく。
1.1.1. 日本語の慣用句の概要
日本では慣用句に関する研究として、「慣用句(idiom)」に相当する 用語
として、それまでには「慣用句」「慣用語」「慣用語句」「熟語」「イディ オム」
などの表現が用いられているようであるが、研究者により対象範囲が異なっており、
その定義は一筋ではないようである。以下に、言語研究者による慣用句の定義を示
しておく。


宮地(1982:238)は「語の二つ以上の連結体であって、その結びつきが比較的
固く、全体で決まった意味を持つ言葉」であると定義し、慣用句を下記のよう
に分類している。「慣用句」は「連語成句的慣用句」と「比喩的慣用句」から

成り、「比喩的慣用句」はさらに「直喩的慣用句」と「隠喩的慣用句」に分け
られる。それぞれの分類に相当する用例は下記の通りである。

(1) 連語成句的慣用句: 手を染める、苦になる、電話をかける
(2) 比喩的慣用句
直喩的: 赤子の手をひねるよう、水を打ったよう
10


隠喩的: 羽をのばす、兜をぬぐ、烙印を押す (238pp)
宮地(1982)では、一般の連語句より結合度が高いものを「連語成句的慣用句」と言い、
比喩表現の中で『~のよう』、『~の思い』などを伴っているものを「直喩的慣用
句」、語句の意味が派生的・象徴的で、全体として比喩的な意味を示すものを「隠
喩的慣用句」としている。


国広(1985)は、「二語以上の連結使用が固定しており、全体の意味は構成語
の意味の総和から出て来ないもの」と定義している。国広(1985)は、宮地(1982)
の定義をさらに詳しくし、形式と意味の両面からの分類を行っている。



籾山(1997:30)は、「複数の語の連結使用が固定しており、全体の意味は、
個々の構成語がその連結の一部でない時に持つ意味の総和からは導き出せない
もの」と指摘している。
籾山は、表現全体の意味が構成語の意味の総和から導き出せない場合のみ慣用

表現と指摘し、構成語の一部のみが字義的でないものは慣用表現に含めていない。



秋元美晴(2002:122)は「二つ以上の単語の結語が固定していて、全体の意味
が構成語の意味の総和からは出てこない特別の意味を表すものを慣用句という。
慣用句は句全体で一つの意味を表す。慣用句を語結合と連語から分ける最大の
条件は、比喩生による。」と述べている。

以上から、「日本語の慣用句は2 語以上から成り、構成要素の総和により全体的に
一つの意味を表し、構成語個々の意味から予想しにくい表現である」のようにまと
められる。さらに、辞書記述による定義も参照する。


『新明解国語辞典第亓版』(1997:303)において、慣用句は「二つ以上の単語
が連結した結果、それぞれの語に分解しては出てこない、別な意味を全体とし
て表すもの」と説明されている。



二つ以上の語が結びついて、習慣的に使われ、特別な意味を表す言い回し。例
えば、油を絞る、道草を食う。『精選国語辞典』(明治書院、1994)



二語以上が結合し、その全体が一つの意味を表わすようになって固定したもの。
11


例:道草を食う、耳にたこができる。『大辞林』第二版(三省堂、1995)


各語の総和では説明しにくい固有の意味を構成するという点で、意味的には一
語であり、かつ、接合部に他の要素を挿入することを許すという点で、文法的

には一語でない、文節以上文以下のまとまりを慣用句という」。『日本語表現・
文型辞典』(朝倉書店、2002)

1.1.2.ベトナム語の慣用句の定義
ベトナム語では「慣用句」の呼び方は「Thành ngữ」という。昔から特に年寄り
が日常会話の中で頻繁に使用している。ベトナムの慣用句は日本と同様に、国民性
をよく表している。慣用句の概念については参考として、以下のように専門辞典や
言語研究があげられる。慣用句には以下のような定義がある。


慣用句とは Nguyễn Lân (2014)の “Từ điển thành ngữ và tục ngữ Việt Nam”(『ベト
ナム語の慣用句と諺』)では「一つの意味を表すのに使用される固定的な句で
ある。例えば:ăn sổi ở thì; ba vng bảy trịn; cơm sung cháo giền; nằm sương gối
đất…」と定義されている。



Hồng Văn Hành (2008)『ベトナム語の慣用句論』(“Thành ngữ học Việt Nam” )
に「慣用句は比喩的意味を表す特別な総和語である。」と書いてある。慣用句
の特徴は、Hồng Văn Hành に下記のように示される。
①慣用句の構築と構成要素における安定性と固定性をもっている。
②全体的・比喩的意味を表す。



“Nhập mơn ngôn ngữ học” (『言語学入門』)では、慣用句についての説明は次
のとおりである。慣用句は、構造の安定性と意味の象徴的価値の観点から見た
言葉の単位であり、①慣用句的、②象徴的、③民族的、④表情的のような四つ
の意味の特徴がある。
その他にも、慣用句の定義は様々存在するが、慣用句の定義は次のように省略


されると思われる。

12


① 二つ以上の語で構成される。二つの語で構成される慣用句は複合語と呼ば
れる
② 固定的な形式・構成を持つ
③ 全体の意味は慣用句における語彙の意味と違う
○4 日常の会話によく使われる
1.1.3. 慣用句と諺の違い
日本語とベトナム語において慣用句と諺の違いは定義されているものの、慣
用句辞典に諺が載っていることもあり、両者は混同されているように思われる。
日本語において、土屋(2009:60p)[hc3][hc4]が慣用表現を定型表現の一部とし
て位置付け、定型表現の下位カテゴリーを精緻化している。そして「慣用表現」と
「諺」の特徴と違いについて下記のように記述している。
a/ 形式的に


慣用表現: 語数が殆ど 2 語以上からなり、末尾が動詞が多く、動詞には命令形
使われず、形容詞が「い」という現代形を持つ、助動詞には古語否定辞が尐な
い。



諺: 語数が主に 4~5 語からなり、末尾が名詞が多く、動詞に命令形が使用さ
れ、助動詞が古語の否定辞で終わる形が多く、形容詞の殆どが「し」で終わる。
b/ 意味的に




慣用表現: 複数の構成要素から成り、一部の表現は語の構成や配列が不明瞭で
ある。また、たとえ語の[hc5]構成や配列が不明瞭でなくても、表現全体で関連し
たイベントを表したり、構成要素が比喩的な意味へと拡張している。



諺: 複数の構成要素からなり、語の構成や配列は慣用表現よりも相対的に明瞭
かつ分析的である。全体として教訓的な意味を表すが、構成要素の意味が比喩
的に拡張している場合と、構成要素の意味がそもそも抽象的である場合がある。
ベトナム語における慣用句(Thành ngữ)と諺(Tục ngữ)の違いは Hồ Thị Hoài

Nam (2018)によると、次の表がある。
13


表1.慣用句と諺の分別[hc6]


慣用句



長い間習慣として使われてきた言い 昔から伝えられてきた格言や教訓、
1

2

回しや、ひとまとまりの言葉や文句 皮肉や知恵、風刺などを含んだ言葉

をさす

をさす

単語相当のものである

一つの文相当のものである

独立した単語の複合によって、文字 独立語として成立するものである
3

通りの意味とは異なる意味を持つよ
うになり定着した句である
会話や文章の中で、定型句の表現と 教訓や格言として用いられる

4
して用いられる
(Hồ Thị Hoài Nam 2018, p.15)
上記の定義や分類などから、慣用句に関して、日本語とベトナム語両言語に
共通する定義は下記のようにまとめられる。
i.

二つ以上の語から成るが、文節以上の構成である

ii.(接合部に他の要素を挿入することを許される場合もあるが)形式上、基本的に
定型的な構成を持つ
iii. 表現全体で示す意味としては一語であるが、統語上いくつかの構成要素を持つ
iv. 構成要素全体で一つのまとまった意味を表すものであり、構成語彙の意味から想
定しにくい
v.語彙・統語的に分析不可能な点、末尾が動詞が多いこと、比喩的な意味が多い

こと、さらに教訓的な意味を示さないことなどにより諺とは異なる性質を持つ
1.2. 日本語とベトナム語の数字を含む慣用句の概要
本節では、数字を含む慣用句に関する先研究を整理し、数字語彙を構成要素
にする慣用句の定義やその位置づけについて示しておきたい。

14


「数字語彙」とは、基本的に数字の各部位を示しており、ほとんど全ての言
語には、ものを数える場合に用いる特殊な語として数字が存在する。未開人の言語
には3までの数字しかないもの、あるいは1は「小指」。2は「薬指」、3は「中
指」、10は「肩」など身体の各部を示す語を流用して、数字としての別個の語を
持たないものもあり、言語によってはその種類・組織に相違はあるが、いずれにし
ても数字あるいはそれに代わる語は、人間活動の言語表現に欠くことのできない重
要なものである。人間の言語として最も基本的な語彙は一部に属するものといえよ
う。(伊 藤 三 郎,1992:1)
「数字を含む慣用句」は自然の生活に属する各要素を示す言葉を含む慣用句
のグループに属し;総合が185で;9.25%を占める。
(Ngô Minh Thủy, 2012:120)。
詳しくは以下の表である。
表 1.慣用句の構成要素の意味的観点から考察する日本語慣用句の構成割合
順番

慣用句グループ

割合(%)

1

人間の身体の部位を含む慣用句


687

34.30

2

人間の活動や考えを含む慣用句

137

6.84

84

4.19

68

3.39

976

48.78

人間に属


個数


人間のことを含む慣用句(現実的
する要素 3
人間)
を指す慣
用句

4

他の慣用句



自然界に

1

動物を含む慣用句

276

13.79

2

食物を含む慣用句

172

8.58


3

数字を含む慣用句

185

9.24

4

自然的要素・自然現象を含む慣用 168

8.39

属する要

15


素を指す

2

慣用句


5

色を含む慣用句


143

7.15

6

他の慣用句

81

4.05

1025

51.22

2001

100


総計
(Ngô Minh Thủy 2012, p.119-120)

上記の表 1.1.の慣用句グループの個数から見ると、人間の身体の部位を含む
慣用句は 687 で、最も多く、二位は動物を含む慣用句である。三位は数字を含む慣
用句となっている。
一方、ベトナム語の場合、数字を含む慣用句を確定したデータは見当たらな
いため、Trần Thị Lam Thủy (2013) “ベトナム語の諺、慣用句、民謡で使われる数字の
意味と文法的な特徴” を対象に調べた結果、収録されている 3225 項目の内、左図を

含む慣用句は全 464 項目;14.4%を占めている。
数字を含む慣用句について、一から十までの数字の出現頻度が一番高いこと
が見える。
1.3. 慣用句における数字の概要
1.3.1. 数字の定義
数字は日常の会話で昔からよく使われている。言語記号としての数字は、違
う文化地域及び社会において、異なる意味で使われ、形の上で同じように見える数
字の背後には、異なる民族情緒と郷士の息吹が滲み出ており、豊富な文化的要素が
ある。
数字についての定義は『大辞林』(1988:1268)によれば、次のようなもので
ある。
①数を表す文字。漢数字(一・二・三…)・アラビア数字(1・2・3…)・ア
ラビア数字(I・II・III…)など。
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②(金銭・予算・統計など)数字で表される事柄。数量的な事柄。
上記の定義で取りあげた数字は実数と呼ばれて、数の順番や実際の数量・値を表し
ている。実数は「1・3・5・7・9」などのような奇数と「2・4・6・8・10」などのよ
うな偶数に分けられて、それぞれの具体的な意味は以下のものである。
「一(1)」はものの数を数える時の最初の数(に等しい値や順位)。例:一から十
まで
「二(2)」はものの個数を数える時の、一の次の、すなわち 1 に 1 を足して得る数
(に等しい数や順位)。例:一も二もなく飛びつく
「三(3)」はものの個数を数える時の、二の次の、すなわち 2 に 1 を足して得る数
(に等しい値や順位)。
「四(4)」はものの個数を数える時の、三の次の、すなわち 3 に 1 を足して得る数
(に等しい値や順位)。例:四書亓経・四方八方・再三再四・四通八達
「亓(5)」はものの個数を数える時の、四の次の、すなわち4に1を足して得る数
(に等しい値や順位)。例:亓目並べ

「六(6)」はものの個数を数える時の、亓の次の、すなわち 5 に 1 を足して得る数
(に等しい値や順位)。
「七(7)」はものの個数を数える時の、六の次の、すなわち 6 に 1 を足して得る数
(に等しい値や順位)。
「八(8)」はものの個数を数える時、七の次の、すなわち 7 に 1 を足して得る数(に
等しい値や順位)。
「九(9)」はものの個数を数える時の、八の次の、すなわち 8 に 1 足して得る数(に
等しい値や順位)。陽の数の最上位。例:九牛の一毛
「十(10)」はものの個数を数える時の、九の次の、すなわち 9 に 1 を足して得る
数(に等しい値や順位)。例:一を聞いて十を知る
「一」から「十」までの数字は自然数字だと呼ばれている。平五安久、青山
陽一、曽布川拓也「数の概念の捉え方について」数理解析研究所講究録(2013:86)
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によると、数学の世界では何らかの公理系によって自然数の集合に意味を与える。
自然数のある特定の部分集合 (自然数列を有限項で打ち切った もの)と 1 対 1 対応を
付けることによって「数える」「測る・計る」という概念を得る。このような数字
は日本でもベトナムでも小学校から教えられている。自然数字は次の 3 つの見方
である。
1) 順序としての見方 (順序数) 自然数列の最初から順に 1 対 1 対応を付けてい
くとき、数える対象がどの自然数 に対応するかによって、その対象が「○番
目」であるという見方をする。
2) 個数としての見方 (基数) 自然数列を有限項で打ち切ったものと対象となる
ものの集合に全単射対応が付 けられたとき、数列の最終項の数をその対象の
個数とみる。
3) 量としての見方何らかの測定単位を以て、そのいくつ分という対応を付けて
いる。
1.3.2. 本研究における数字の定義
数量、数字の各定義を踏まえて、本論における用いる数字の定義を以下のよ

うに定める。本論では全ての数字を取り上げるのではなく、日本語とベトナム語に
おける「一」から「十」までの数字をめぐって、具体的には日本語とベトナム語の
慣用句における数字の文化的特徴の分析、比較である。
唐向 紅、 鷲尾 紀吉『中国と日本の数字文化における比較研究 』によると、
「数字は色々な情報を伝えると同時に、人々の感情を交流して、どんな言語でも取っ
て代われない役割を果たしている。国の習慣や風土の相違点によって、小さい数字に
も様々な異なる感情や意義を与えた。」
数字というのは数量と物事の順番を表す語彙である(決まった、または特徴
的な数量、順番)。数字は勘定の目的以外、象徴意味も持っている(例えば:Vững
như kiềng ba chân、ここで ba=「三」というのは堅固で、気が強いという意味を表す)。
Trần Thị Lam Thủy「ベトナム語の慣用句、諺、民謡における数字の文法特徴と文化
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的特徴」 (2013:23)によると、ベトナム語では、「con số」における「con」という言
葉は多くの物事の名前を呼ぶために使われている。例えば:con người―人、 con vật―
動物、 con mắt―目、 con thuyền―船、 con kênh―運河、 con đường―道、…「con」
で呼ばれた物事が種類として違うが、共通点は:a)全体における小さい単位で、部
分;b)形と行動がある;c)象徴としてベトナム人の意識に存在されているということ
である。同じの数字は小さい現象、物事を表す時もあるし(例えば:Một thân một mình、
ここで một=「一」というのは心細い状況の意味のに対して;大きい現象、物事を
表す時もある(例えば:Thiên nhân hợp nhất、ここで nhất=「一」というのは天地の
調和の意味である)。
以上のように、数字は勘定の目的以外、特有な民族文化の心理を反映するこ
とが分かった。
1.3.3. 日本人とベトナム人の数字についての観念
「一」から「十」までの数字は偶数と奇数を含む。具体的に、1、3、5、7、9
が奇数で;2、4、6、8、10 が偶数である。奇数が発達と成長を表すので、日本人と
ベトナム人は奇数が好きだということである。しかし、中国人と同じで、ベトナム
人に 6、8 という偶数も人気がある数字である。

 日本人の数字についての観念
日本人は奇数をあがめる。昔から奇数は緑起がいい数字とする思想がある。
日本人は奇数を陽として、吉祥を象徴すると思う。普通、日本人は自分の経験力に
応じて、そして相手と自分の親しさによって、お金の多寡を決める。しかし、お金
の数の多尐にかかわらず、必ず奇数で、普通は3千万、5千万、7千万、1万円、
1万3千円、1万5千円になる。普段、贈り物をするとき、贈り物を縛る縄も必ず
奇数である。
奇数の中では、日本人は「三」という数字が好きである。神社で行われる挙
式で、夫婦の契りを結び固める「三三九度の盃」を交す。三方に三つ重ねの杯がの
っている。一番上の小の杯で新郎から新婦、中の杯は新婦から新郎、大の杯は新郎か
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ら新婦まで、一人が一つの杯を三回に分けて三杯を飲む。各種の祝賀活動あるいは集
会を行う時、日本人は特に手をあげて「万歳」を三回繰り返して叫ぶことが好きであ
る。日本人はどうして奇数の「三」にこのように熱中するかというと、その根源は「三」
に対する理解にあって、先賢の「数」に対する認識にさかのぼるであろう。
日本のカレンダーをめくってみると、日本の 13 の祝日がほとんど奇数の日で
あることに気づく。そのなかで、一つの祝日は日本人が最も奇数を重視することを説
明できる。この祝日は 11 月 15 日で、「七亓三」である。男の子3歳と5歳、女の子
3歳と7歳を祝う日である。両親は自分の子供にきれいな着物を着せて、いっしょに
神社をお参りして、これまで成長したことを神様に感謝し、今後健やかな成育を祈願
する。祝日の名称、日時から祝賀する対象に至るまで、すべて奇数でないものはない。
「七、亓、三」はまた日本人の祝典に用いる数字でもある。日本人は一、三、亓、七、
九の奇数がめでたいと思って、その中の「七、亓、三」3つの数字を選んで正式の宴
会の時、料理のコースとして、「第1セットは7つのおかず、第2セットは5 つの
おかず、第3セットは3つのおかず」とする。
さらに取り上げる価値があったのは、日本の詩歌「和歌」と「俳句」である。
「和歌」と「俳句」は、日本文学のなかで最も民族の特性を持つものである。それは
中国の詩歌「騒体」の特徴を吸収し、日本語の表現力の基本的な特徴に基づいて、音

数の規則ある変化を採用して韻律を構成し、それによって独特な短詩の形式を形成す
る。たとえば「和歌」、それは「亓、七、亓、七、七」、合わせて 31 の音数から規
則正しい不揃いで構成した。さらに「俳句」を例にとってみよう。それは同じように
日本語の音声数に頼って規則正しい不揃いさがあって、「亓、七、亓」の 17 の音節
からなる。たとえば、江戸時代に有名な俳句の詩人松尾芭蕉によく知られた詩がある。
「古池や 蛙飛びこむ 水の音」である。春日、遅々たる春の昼下がり。水の淀んだ古
池は森閑と静まり返っている。一瞬、ポチャッと蛙の飛びこむ水音がして、あと元の
静けさに戻る。ごく短い 17 の音節で、弾んだ躍動感や高揚感がある反面、林風の滑
稽の影が残る。「飛びこむ」と日常語に直したところから、わびやさびにつながる水
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墨画の世界が現出した。もし私達はさらに探究すれば、「和歌」にしろ、「俳句」に
しろ、各文の音数はすべて奇数で、センテンスも必ず奇数であることが発見できる。
日本の詩歌は、日本人が中国の詩と詞にある「亓言絶句」と「七言律詩」を真似て作
られたということである。
 ベトナム人の数字についての観念
ベトナム人の生活に対して、数字は勘定のことや物質の生活や仏教の生活や
民間の観念などという生活の様々な分野に影響を与えている。
a.

ベトナム人の観念における数字
中国の文化がベトナムに渡来する前に、数字はベトナム人の生活に特別な価

値を持った。ベトナム人の数字についての観念は宇宙についての観念に関している。
それは陰陽要素である。その観念は同鼓面における蟆のイメージや鳥と鹿のイメー
ジや四角と丸のイメージなどの様々象徴で現れている。以上の観念によって、陰陽
の哲理も数字のシステムに影響を与えるはずである。Nguyễn Hữu Lương によると、
「ベトナムに The Yijing(Kinh dịch)儒教から渡来する時、陰陽観念は数字のシステム
通りに、明確に現れるし、昔からベトナムで現した陰陽の要素を正式にした。」

各陽数字、それは一、三、亓、七、九という奇数である。Thu Giang Nguyễn Duy
Cần によると、陽は男、大、成、誠、富、貴、動、熱、上、外、光である。陽性の
成、盛、失、消を表す。各陰数字、それは二、ヨン、六、八、十という偶数である。
Thu Giang Nguyễn Duy Cần によると、陰は女、柔、小、卑、怯、冷、下、中、暗で
ある。
b.

ベトナム人の精神生活における数字
ベトナム人の精神は各イメージと象徴で現している。例えば:cây đa (ベト

ナムの村の特徴的な木)や五泉や神社の屋根や墓などの神聖な象徴。それで、民間
の観念におけるその象徴と付く数字も神聖な数字である。
b1. 神聖な空間における数字

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