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日本語における「虫」を含む慣用句 ベトナム語との対照 = THÀNH NGỮ CHỨA côn TRÙNG TRONG TIẾNG NHẬT

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ハノイ国家大学外国語大学
日本言語文化学部
--------

卒業論文
日本語における「虫」を含む慣用句
ベトナム語との対照

作成者:

Cao Minh Tâm

クラス:

QH.2017.F1.J1.CLC

学生番号:

16041574

指導教員:

修士 Lê Thị Minh Nguyệt

ハノイ、2021


ĐẠI HỌC QUỐC GIA HÀ NỘI
TRƯỜNG ĐẠI HỌC NGOẠI NGỮ
KHOA NGƠN NGỮ VÀ VĂN HĨA NHẬT BẢN


--------

KHĨA LUẬN TỐT NGHIỆP

THÀNH NGỮ CHỨA CÔN TRÙNG
TRONG TIẾNG NHẬT
SO SÁNH VỚI THÀNH NGỮ TRONG TIẾNG VIỆT

Sinh viên:
Lớp:
Mã số sinh viên:
Giáo viên hướng dẫn:

Cao Minh Tâm
QH.2017.F1.J1.CLC
16041574
Thạc sĩ Lê Thị Minh Nguyệt

Hà Nội, năm 2021


研究の内容について

本稿の内容について、著者は次のようなことを確約する。




本研究に使用されたデータは確実な出典より引用したこと
本稿では、先行研究を参考にしながら、研究を自ら行ったこと



要旨
言語は文化の結晶である。その中で、慣用句は何世代にもわたって保存されている
文化的知識の源であり、最もユニークな言語単位の 1 つである。日本語を学ぶ際、慣
用句やことわざに触れることが多く、虫を含む慣用句が頻繁に現れる。
本研究は研究背景、目的、研究方法を述べ、先行研究を調べ、慣用句に関する概念
を説明した。そして、日本語における「虫」を含む慣用句、ベトナム語における「虫」
を含む慣用句を統計できた。それをグループに分け、構成の面と意味の面に分析し、
ベトナム語と日本語の「虫」を含む慣用句の相違点と類似点を見つけ、慣用句を通じ
て伝えた文化要素を述べた。その結果を踏まえ、日本の科目に本研究の貢献について
提案を出した。


目次
序論.............................................................................................................................................1
第一章:慣用句の概念.............................................................................................................4
1.慣用句の定義.......................................................................................................................4
2.慣用句の特徴.......................................................................................................................5
3.ことわざとの比較...............................................................................................................6
第二章:日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句.............................................8
1. 日本語における「虫」を含む慣用句................................................................................8
1.1.日本語における「虫」を含む慣用句の統計...................................................................8
1.2.日本語における「虫」を含む慣用句の分析...................................................................9
2.ベトナム語における「虫」を含む慣用句.....................................................................17
2.1. ベトナム語における「虫」を含む慣用句の統計.......................................................17
2.2. ベトナム語における「虫」を含む慣用句の分析.......................................................18
第三章:日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句の対照...............................26
1.日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句の構成.........................................26
1.1.品詞構成..........................................................................................................................26

1.2.主語・述語の構成..........................................................................................................29
1.3.他の構成..........................................................................................................................30
2.日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句の意味............................................31
2.1.同じ「虫」を含む慣用句..............................................................................................31
2.2.違う「虫」を含む慣用句..............................................................................................34
本研究の貢献...........................................................................................................................36
結論...........................................................................................................................................37
謝辞...........................................................................................................................................39
参考文献...................................................................................................................................40
付記...........................................................................................................................................42


序論
1.研究背景
言語は文化の結晶である。その中で、慣用句は何世代にもわたって保存されている
文化的知識の源であり、最もユニークな言語単位の 1 つである。日本語を学ぶ際、慣
用句やことわざに触れることが多く、虫を含む慣用句が頻繁に現れることがわかる。
たとえば、「虫がいい」はわがままという意味で、または「虫の居所が悪い」はイラ
イラする気分を意味していることが理解できた。
調べてみると、虫だけでなく、面白い意味のある昆虫のイメージを含む慣用句もた
くさん見つかった。では、このような小さな昆虫のイメージを含む慣用句はどういう
意味を持っているか、どんな文化的要素があるかと気になった。これらの質問の答え
を見つけるため、筆者は日本語における「虫」を含む慣用句(ベトナム語との対照)
というテーマを卒業論文のテーマとして選んだ。
2.研究の目的
筆者は次の 2 つの主な目的を目指し、研究を行う。


1 つは、日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句を統計、およびその
意味を調査することである。




2つは、日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句の構成と意味を調べ、
比較し、類似点と相違点を見つけることである。そして、慣用句から分かる文化
要素を理解する。

3.研究対象
日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句は本研究の対象である。
本研究で述べた慣用句にある「虫」は蟻(アリ)蚊 (カ)蚕(カイコ)蜉蝣 (カ
ゲロウ)蟷螂

(カマキリ)蜘蛛 (クモ)蝉(セミ)虱

(シラミ)蝶(チョウ)蚤

(ノミ)蝿 (ハエ)蝗虫 (バッタ)蜂 (ハチ)灯蛾 (トウガ)蛍 (ホタル)虫 (ム
シ)である。
4.研究の範囲
日本語の慣用句は、
『Từ điển Thành ngữ Nhật Việt』(日越慣用句の辞書)‐Nguyễn Thị
1


Hồng Thu (2006)、および第 8 版に発行された広辞苑辞書から抽出されている。Nguyễn
Thị Hồng Thu は日本語の慣用句やことわざについて多くの目立つ研究をしている言
語学者である。この日越慣用句の辞書は Nguyễn Thị Hồng Thu の研究の一つである。
Nguyễn Thị Hồng Thu によると、ベトナムの慣用句に相当な日本語の言語単位は慣用
よじじゅくご


句だけでなく、故事成語(こじせいご)、四字熟語 (よじじゅくご)四字熟語でも
ある。Nguyễn Thị Hồng Thu が統計した日本語の慣用句はベトナムの慣用句という言
語単位に相当していると考えたので、この辞書を選んだ。
ベトナム語の慣用句は、『Từ điển Thành ngữ Tiếng Việt 』(ベトナム語慣用句辞典)
– Nguyễn Lực, Lương Văn Đang(1993)と『Từ điển tiếng Việt』
(ベトナム語辞典) - Hoàng
Phê (2019)

から抽出されている。この 2 冊の辞典を選んだ理由は両方とも評価され

て信頼できる辞典からである。
5.研究方法
参考文献からデータの収集の方法:日本語とベトナム語の慣用句を探し、調査範囲
内の慣用句の数を数えた。
分析方法:日本語とベトナム語における慣用句を統計し、意味と構成を調べ、グル
ープに分け、分析した。
比較の方法:一定量の慣用句を統計した後、分析、比較し、類似点と相違点を指摘
する。そして、慣用句から分かる文化要素を理解する。
6.研究の構成
本研究は次のように構成されている。
序論:筆者は、研究背景、目的、研究の範囲と対象を説明し、先行研究の貢献を示す。
第一章:慣用句に関する定義を提供する。
第二章:参考文献から統計した日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句のリ
ストを作成する。そして、その意味を分析する。
第三章:この章では、筆者は、慣用句の構造、出現頻度、文化的要素などの面を通じ
て、日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句を比較する。
本研究の貢献
2



結論
7.先行研究
日本語における動物の名を含む慣用句の先行研究に、Ngô Minh Thủy の「Thành ngữ
liên quan tới động vật trong tiếng Nhật」(日本語の動物の慣用句、ベトナム語との対照)
という研究がある。
Ngô Minh Thủy は日本語とベトナム語の動物の慣用句は 369 件が記録されているな
ど、非常に有益な調査結果を提供している。研究は日本の慣用句で使用されている 74
匹の動物を統計しており、その意味は 3 つの方向に示されている。


動物の名前を借りて社会の現象を述べる。



その動物の特性に基づかれる意味になる。



その動物についての人の観念と思いからなる意味。
さらに、意味の面以外、研究はまた、日本人の文化的特徴を指摘した:簡潔さ、無

言、自然への愛情、農業と漁業の文化などである。これらの発見は、日本語の慣用句
を学び、使用する時に、日本人学習者に利点をもたらした。
そして、日本語における犬と猫のイメージを含む慣用句について、Nguyễn Thị Thúy
(2002)はベトナム語で同等の慣用句に翻訳できる日本語の犬と猫のイメージを含む
慣用句をリストしている。これは慣用句の正しい使い方にも大きな意味があり、同時
にベトナムと日本の文化的ギャップを縮めることもできた。
8.研究の貢献
上記の動物に関する以外、筆者は「虫」を含む慣用句を中心にする先行研究を見つ
けられていない。

本研究は、「虫」を含む慣用句の構造、意味、文化的要素の類似点と相違点を見つ
けることを目的としている。その目的を達して、結果が出れば、日本語学習者にも日
本文化学習者にも役に立つものになるのを期待している。さらに、本研究では、日本
語とベトナム語の慣用句の定義と意味に関する統計を提供し、学生が文化の理解と並
行して慣用句をより簡単に学習できるようにしたいのである。

3


第一章
.慣用句の概念
1.慣用句の定義
英語には慣用句という言語単位は「イディオム」と呼ばれている。
1920 年代に世界中でイディオム研究が登場し始め、1930 年から 1940 年にかけて
より詳細な研究が行われた。それらの 1 つは V.V. Vinogradov(1946)の研究 であ
る。V.V. Vinogradov が指摘した慣用的な分類は、イディオム研究の重要な基盤とな
っている。V.V. Vinogradov はイディオムは固定されており、固定された不可分な要素
を組み込む言語単位であると主張した。言語のすべての固定句を慣用句と見なし、意
味的にこれらの言語単位は文字通りのイディオムと比喩的なイディオムに分けられ
ると述べた。
英語学に関しては、Charles F.Hockett(1958)による「A course in modern linguistics」
(1958)の研究が高く評価されている。C. F.Hockett は、Charles F.Hockett の観点から、
評価および定義する多くの角度があると述べた。 Hockett によると、イディオムの最
も典型的な特徴は、イディオムを構成する各要素の意味からその意味を推測できない
ことである。この定義は、後に D.A. Cruse(1986)によって確認された。
Oxford learner’s Dictionaries という辞典により、イディオムの定義は「 a group of
words whose meaning is different from the meanings of the individual words.」(個々の単語
の意味とは意味が異なる単語のグループ)と説明された。
日本語では、狭義の慣用句について、白石(1950:43‒44)は、意味の構成法を中 心
にして考えると、以下の4つがあると指摘している。

(1) 全体の意味が構成要素の意味からだけでは理解できないもの。たと えば、「肉
を以って蟻も去る」(仕方、方法が間違いという意味)の意味は文字通りの意味から
予測できない。
(2)全体の意味が構成要素の意味から理解できるものではあるが、構成 要素の意味が
抽象的で具象性をかいているため、両者が結びついてはじめて意味のはっきりするよ
うなもの。たとえば、蟻の甘きにつく如し(人は利益がある所に集まるという意味)
が指し示している意味は抽象的である。

4


(3) 全体の意味は構成要素の意味から理解できなくはないが、一方の意 味が語源的
にはたとえから来たようなもので、両者が結びついてはじめ て意味のはっきりする
ようなもの。たとえば、「窓の蛍」は中国の昔話から意味を持つ(真面目な学生は蛍
の光を利用し、勉強するという意味)
(4) 句の表す動作自身に、その目的や理由や結果を暗示する意味がある ため、句に
もおのずから、構成要素の語の意味以上のものが加わって来 るもの。たとえば、「床
に入る」は「寝る」、「頭をかく」は「恥ずかし く思って体裁を繕う」という目的
が暗示されている。
籾山(1997:30)は、「複数の語の連結使用が固定しており、全体の意味は、個々
の構成語がそ の連結の一部でない時に持つ意味の総和からは導き出せないもの」と
指摘している。籾山は、表 現全体の意味が構成語の意味の総和から導き出せない場
合のみ慣用表現と指摘し、構成語の一部 のみが字義的でないものは慣用表現に含め
ていない。この点に関して、宮地では「目が高い」は、 それぞれに「鑑識力」「厳
しい試練」という転義であるだけで、構成語の意味の総和として句全体 の意味が理
解可能であり、慣用表現であるよりもむしろ連語の部類に属すると指摘している。
『広辞苑』第六版(岩波書店 2008)によると、慣用句とは、二語以上の語から構
成され、句全体の意味が個々の語の元来の意味から決まらないような慣用的表現で
ある。骨を折る、油を売るなどである。
『精選国語辞典』(明治書院 1994)によると、慣用句は二つ以上の語が結びつい

て、習慣的に使われ、特別な意味を表す言い回し。例えば、油を絞る、 道草を食う。
ベトナム語の慣用句の定義について、Hoàng Phê は 『Từ Điển Tiếng Việt』 (2018
版)にこのように慣用句の定義を述べた。「慣用句は慣用している言葉の組み合わせ
で、その意味は単なる個々の要素で理解することができない言語単位である」。
『Từ điển giải thích thuật ngữ ngơn ngữ học』
(言語学の専門語解釈辞典)に Nguyen Nhu
Y(1996)は慣用句の定義を述べた。慣用句は固定な語句、固定な意味がある、そし
てその全体の意味は慣用句に構成した個々の語の意味と違っている。慣用句は文字通
りの意味がない。文に個別な言葉として活用されている。
2.慣用句の特徴

5


「Đặc điểm của thành ngữ tiếng Nhật (trong sự liên hệ với thành ngữ tiếng Việt)」 (日本
語の慣用句の特徴、ベトナムの慣用句との関連)という研究に、Ngô Minh Thủy (2006)
は日本語の慣用句の特徴をこの以下のようにまとめた。


固定的な語句



構成は品詞構成や主語・述語の構成



物事を再現できる語句




物事の名を指す機能がある



完全の意味がある、特に、比喩的、比較的な意味。
Nguyễn Lực, Lương Văn Đang(1993)は 『Từ điển thành ngữ tiếng Việt』(ベトナム

語辞典)に、ベトナム語の慣用句の 3 つの特徴をまとめた:


慣用句の構成の形態の面:固定な形態がある。



慣用句の意味の面:多義な慣用句はあるが、比喩的な意味のある慣用句は最も大
切な部分である。この意味は全体の意味で、慣用句に構成した個々の語の意味か
ら成るのではない。比喩、比較、大げさにいうなどの方法により意味になる。



文に活用される面:慣用句は品詞構成、または主語・述語の構成を持っている。

3.ことわざとの比較
『Tục ngữ, ca dao, dân ca Việt Nam』 (2005)により、Vũ Ngọc Phan は ベトナム語の
ことわざはアイデア、観察、経験、論理、時には批判を完全の意味のある文であると
いう定義を述べた。
日本語のことわざは日英故事ことわざ辞典 (1994) によると、「ことわざを定義す
ることは非常に困難です。それは歌、レッスン、問題の認識などである。」
『広辞苑辞典』(第八版)により、ことわざは「古くから人々に言いならわされた

ことば。教訓・諷刺などの意を寓した短句や秀句」を意味する。
『Tạp chí Ngơn ngữ』
(言語雑誌)
( 4 号, 2007)に載せた「Thành ngữ trong tiếng Nhật
trong sự đối sánh với thành ngữ trong tiếng Việt」(ベトナムの慣用句との比較における

6


日本語の慣用句)という投稿に、Nguyễn Thị Hồng Thu は日本語の広義のことわざは
日本語におけるいろいろな言語単位を含むと述べた。
広義のことわざはことわざ、慣用句、成語、故事成語、四字熟語のすべてである。
「ことわざ」(広義)(A), 「こたわざ」(狭義)(A’)、「慣用句」(B)、他の似
ている言語単位(C)との関連を見ると、その関連は以下の図のようである。

A’
A

C

B

『Tạp chí Ngơn ngữ học Việt Nam』(ベトナム言語学雑誌)4 号、2006 にある「話す
と書く討論会」にベトナムのことわざと慣用句の違いを述べた。ことわざは一つの意
味を表す一文である。たとえば:Gần mực thì đen, gần đèn thì rạng(墨に近づくと黒く
なり、灯に近づくと明るくなる。意味は悪い人と一緒にいると、悪くなり、いいひと
と一緒にいると、よくなるである)。一方、慣用句は語句で、文の一部であり、イメ
ージのある意味を表す。例えば:Mẹ trịn con vng(お母さんが無事に出産できたと
いう意味である)
さらに、重要な点はことわざが完全の意味を表す一文なので、独立に利用される。

慣用句はただ語句なので、文の一部になる。

7


第二章
日本語とベトナム語における「虫」を含む慣用句

Nguyễn Thúy Vân(2014)の調査によると、自然界全般、特に動物界の認識におけ
る国の文化的特徴は、慣用句、歌、ことわざに明確に反映されている。また、ベトナ
ム人の認識では、動物の世界は、昆虫(昆虫)、魚(魚種)、鳥、動物(哺乳類)の
4 つのグループで分けられている。
Nguyễn Thị Minh Ngọc(2011)によると、ベトナムの一般的な動物は7つのグルー
プに分けられる。1、宗教的信念で崇拝されている動物グループ(ドラゴン、コイ、
カメ、クレーン、ワニ、トラなど) 2、牛のグループ(一般的な水牛、牛、豚、..な
ど); 3、家禽グループ(一般的には鶏、アヒル..など); 4、家畜のグループ(人気は
犬と猫、..など)5、山と草原の動物のグループ(一般的には虎、馬、熊など)6、げ
っ歯類のグループ(ねずみなど); 7、昆虫と害虫のグループ(ハチ、蝶、蚊など)
本研究は、主に日本とベトナムの慣用句における昆虫(虫)のグループに焦点を当
てている。
1.日本語における「虫」を含む慣用句
1.1.日本語における「虫」を含む慣用句の統計
『日越の慣用句辞典』(Nguyễn Thị Hồng Thu)と『広辞苑』から慣用句を見つけ、
全部 82 句を統計できた。その中に 14 の「虫」も利用されている。
〈表1〉:日本語の慣用句にある虫
虫の名

(ムシ)

(ノミ)






24

29.3%

9

11%


(ハエ)

虫の名





7

8.5%

6

7.3%



(アリ)

(ハチ)


8

9.8%

虫の名
灯蛾
(トウガ)


4

8

4.9%



2

2.4%

3

3.6%


1

1.2%

(アブ)


(カ)



(チョウ)



(ホタル)

(シラミ)

7

8.5%

6

7.3%

蜘蛛
(クモ)

蜉蝣
(カゲロウ)

4

4.9%

3

3.6%

蟷螂
(カマキリ)

1

1.2%

著者が調べた日本語の慣用句の範囲に 14 つの虫のイメージが現れている。その中
に、最も多く使用されている虫のイメージは虫(82 の中に 24 つ)、次には蚤(9)、
蝿(8)である。最も少ないのは灯蛾(2)、と蟷螂(1)である。出現した虫は農業、
日常生活によく見かける虫である。その中に、『虫』の昆虫の出現率は他の虫と比べ
て 2 倍以上であり、日本文化にある『虫』の存在は他より大きいのではないだろうか。
1.2.日本語における「虫」を含む慣用句の分析


蟻 (アリ)
蟻のイメージの慣用句は小さな虫である蟻の固有の特性に由来する意味を使用し

ている。

まずは、蟻は小さくて、無力なものである。この意味がある慣用句は人の皮肉的に
言う句もある。
例:蟻の天井
(小さく無力のものであるが、偉いことをしたいこと)
小さいものを集める習慣も慣用句に現れる。この習慣を利用し、人の真面目で、細
かい性格と喩える。
つる の あわ

あり の とう

例:鶴の粟、蟻の塔
(ごくわずかずつであることのたとえ)
蟻がよく群衆として混んで集まる習慣を利用し、社会の現象を言う。ただ人と比較
するだけでなく、人の悪さ(利益のあるところへくることや列にしないことなど)を
皮肉的に言う。
例 1:蟻の甘きにつく如し

9


おもむ く

(人が利益のある方に 赴 くことにいう)
例 2:蟻の熊野参り
(人が列をなして群集することのたとえ)
5 句が消極的な意味を持つ。2 句が中性的な意味を持つ。


虻 (アブ)
虻はよく蝿と蜂と共に現れる。小さな虫である虻の固有の特性に由来するの意味を


使用している。蜂のイメージは小さいもの、または小さい結果を指す。
例:蜂も蜂も失う・虻蜂取らず
いち もつ

(あれもこおれもとねらって一物も得られないこと。欲を深くして失敗するの
にいう)
2 句も消極的な意味を持つ。


蚊 (カ)
蚊を含む 4 つの慣用句は蚊の固有の特性に由来する小さい意味を使用する。牛と共

に現れて、小さいという意味を強調する慣用句もある。
例 1:蚊の鳴くよう
(蚊の羽音のようなかすかな声。)
つの

例 2:牛の角を蚊がせせる
(何とも感じないこと。)
2 句も消極的な意味を持つ。2 句が中性的な意味を持つ。


蜉蝣 (カゲロウ)
蜉蝣を含む慣用句が少なく、82 の中に 3 句しかない。
ほとんどの慣用句の意味は 蜉蝣の固有の特性に由来する。蜉蝣の持つ特性を人の

性格やことを指す。3 句はそれぞれの意味を持っている。

10



例 1:蜉蝣の命
(蜉蝣のそれのようにはかない人の命)
例 2:蜻蛉の尻冷やすよう
(蜻蛉の尻冷やすようにそそっかしい)
蜉蝣と似ているものと比較する慣用句も 1 つある。
例:唐辛子羽を付けたら赤蜻蛉
1 句が消極的な意味を持つ。2 句が中性的な意味を持つ。


蟷螂 (カマキリ)
蟷螂の慣用句の意味は小さいものであるが、勇気を持つことである。
かまきり が おの を

もって

・ とり

って

たかしくるま に むかい か



例:蟷螂が斧を以って・取って 隆 車 に 向 かう
(弱者が自分の力を考えずに、強敵に向かうことのたとえ。)
慣用句に蟷螂は乗り物のイメージと共に利用に、弱者と強者との向き合いを表現す
る。
『虫曼荼羅: 古典に見る日本人の心象』では、岩下均はこの慣用句についてこのよう

に説明した。蟷螂(かみきり)について民俗的学が深い説話がある。
「京の祇園会(旧 8 月 7 日、現在は 7 月 17 日~24 日)の「7 日の神事」に外郎町で
飾り立って練る山鉾は「蟷螂山」「蟷螂鉾」と呼ばれている。その由来は中国の燕の
国王の行幸時に、車の騒音に怒った蟷螂たちが斧を張るって反抗したという伝説にあ
る。王は蟷螂の勇気に感銘を受け、武勇の虫として宮殿に飼うようになった。」(岩
下均、2004:39)
この句が中性的な意味を持つ。


蜘蛛 (クモ)
蜘蛛を含む慣用句が 4 句しかない。慣用句の意味は網がある、小さい蜘蛛の固有の

特性に由来する。
ほうおう

例:蜘蛛が網を張りで鳳凰を待つ

11


(力のないものが強大なものに立ち向かう。はかない抵抗のたとえ。)
そして、蜘蛛の子の特性と蜘蛛も慣用句に現れる。どちらも消極的なことを指す。






例 1:蜘蛛の子を散らす
(群衆などがちりぢりばらばらに逃げ散るさまなどに)

ひら

くも

例 2:平蜘蛛(ひらぐも)のよう
へいしんていとう

(平身低頭するさまの形容)
3 句が消極的な意味を持つ。1 句が中性的な意味を持つ。


虱 (シラミ)
虱のイメージのある 5 つの句はすべて、小さな虫である虱の固有の特性に由来する

小さなものの意味を使用している。
例:虱の皮ほど
(非常に小さいこと)
小さい虱を通じて、人を皮肉的にいう慣用句もある。
とうせい

だん ず

例:虱をひねって当世の務を談ず
(人前を恐れぬ態度で時世や政治を論じる。また、傍若無人に振る舞う。)
6 句が消極的な意味を持つ。


蝶(チョウ)
蝶を含む慣用句は子供を愛することを表す。素敵な虫である蝶の特性に由来する意


味である。
例:蝶よ花よ
(子をいつくしみ愛するさまをいう話)
この句は積極的な意味を持つ。

12




蚤 (ノミ)
9 句の中に、蚤を含む慣用句の 8 句は小さな虫である蚤の固有の特性に由来する小

さなものの意味も使用している。
例:蚤の卵
(非常に小さいこと)
蚤のイメージを使用し、比喩的に人をいう慣用句もある。
例:蚤の夫婦
(夫よりも妻のほうが体の大きい夫婦)
3 句が消極的な意味を持つ。6 句が中性的な意味を持つ。


蝿 (ハエ)
84 の中に 8 句の日本語の慣用句は蝿のイメージが含まれている。
蝿のイメージを含む慣用句は、蝿の固有の特性に由来するものを利用する。
それは小さく、無力のものという意味である。
例:鳥もちの蝿
(とても簡単なこと)
たか


そして、蝿は鷹のイメージと共に使用される慣用句が 1 句ある。他の人と真似をす
るに皮肉にいう意味している。
例 1:蝿が飛べば虻も飛ぶ
(似た者同士が互いに真似をすること。)
例 2:鷹が飛べば、糞蝿も飛ぶ
(人に無理に真似をすること。)
5 句が消極的な意味を持つ。3 句が中性的な意味を持つ。


蜂 (ハチ)
13


蜂のイメージを含む慣用句は、小さな虫である蜂の固有の特性に由来する小さなも
のの意味を使用している。
しか の つの を はち が とげ す

例:鹿の角を蜂が刺す
つうよう

(いっこうに手ごたえがない。 なんの痛痒も感じない。 )
蜂の巣の特性も慣用句に現れる。


例:蜂の巣をつついたよう
(手もつけられないような大さわぎのさま)
蜂と虻のイメージと共に使用される慣用句は 3 句見つけられる。虻と蜂は同じ小さ
いもので、小さいことでも得ないという意味を表す。
例:虻蜂取らず
いち もつ


(あれもこおれもとねらって一物も得られないこと。欲を深くして失敗するのに
いう)
3 句が消極的な意味を持つ。3 句が中性的な意味を持つ。


灯蛾 (トウガ)
灯蛾のイメージを含む慣用句は、灯蛾の固有の特性を利用し、社会の現象を述べ、

自分の評価を表す。灯蛾は火のあるところに飛び込むのように、人は自分を危ないと
ころに置く。
しょく

例:灯蛾 燭 を払う
2 句が消極的な意味を持つ。


蛍 (ホタル)
蛍のイメージを含む慣用句は、輝くという蛍の固有の特性に由来するものを利用し、

昔話にある蛍のことを人の苦学を指す。つまり、慣用句にある蛍は人の思いからなる
蛍のイメージである。
例:窓の蛍
(苦学のたとえ)

14


日本語の慣用句における蛍は「 窓の蛍」、蛍を使って中国の学校の灯として照ら
し、学習者の精神を表現するという中国の物語から派生して いるため、非常に良い

意味を持っている。
そして、光るという蛍の固有の特性に由来する意味を持つ慣用句も 2 句ある。
例:月夜の蛍
(かすかな、不明瞭、目立たない姿。)
5 句が積極的な意味を持つ。2 句が中性的な意味を持つ。


虫 (ムシ)
虫は出現頻度が最も多い。虫を含む慣用句の意味は人の性格・悪いところや感情、

病気を指すことが分かる。
例 1:虫がいい
かえりみ

(自分の都合だけを考えて他を顧みない。身勝手である。)
例 2:虫が知らせる
(何となく、そのような予感がする)
24 句の中に 14 句がこのような人の性格を指す意味を持っている(58.3%を占める)
そして、虫のことについて字通りの意味を持つ慣用句もある。
たで

例:蓼食う虫も好きずき
(辛い蓼(たで)を食う虫もあるように人の好みはさまざまである)
他の虫と同じ、小さな虫である虫の固有の特性に由来する小さなものの意味も使用
している。
例;小の虫
(比喩的に、あまり重要でないことをいう)
虫のイメージを使用し、比喩的に人をいう慣用句もある。

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例:米を食う虫
(人間をいう)
5 句が積極的な意味を持つ。2 句が中性的な意味を持つ。
小まとめ
分析した結果として以下のような点が分かった。
まず、虫を含む日本語の慣用句には「小さいもの」という意味がよく現れる。
例 1:蚤の卵 (非常に小さいこと)
例 2:小の虫 (非常に小さいこと。)
例 3:蚊の目 (非常に小さいこと。)
この意味は虫が共有する「小さい形をする」特性からなると考えられる。そして、
比喩的の慣用句にある「無力なもの、弱者」意味も「小さい」の意味から由来する。
虫が小さいだから、無力なものではないだろう。
例:蟷螂が斧を以って・取って隆車に向かう
(弱者が自分の力を考えずに、強敵に向かうことのたとえ。)
次、多くの虫のイメージが悪く、消極的な意味を指す。そのような意味を持つ虫に
蟻、蚊、蜘蛛、虱、蚤、蝿、虫(7 匹)がいる。
例 1:蟻の甘きにつく如し
(利益のあるほうに、人が群がり集まることのたとえ。)
例 2:鷹が飛べば、糞蝿も飛ぶ
(無理によりも優れている人と競争する。または、真似をする。)
例 3::虱をひねって当世の務を談ず
(人前を恐れぬ態度で時世や政治を論じる。また、傍若無人に振る舞う。)
例 4:いい虫だ

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(自分の都合ばかり考えて他を顧みない。身がってである。)

のうさくぶつ

虫といえば、農作物を食べてしまい、害虫だということがすぐに頭の中に浮かぶ。
慣用句から分かると、日本人にとって、虫という存在は良いものではないと分かった。
2 匹の動物のイメージを含む慣用句も日本語にもよくある。日本語には 2 匹の動物
のイメージを含む慣用句は 12 句を統計られる(14.6%を占める)。これらの句は 2
つのグループに分けることができる。1 つは両方とも昆虫である慣用句、1 つは 1 種
は昆虫であり、1種は他の種である。日本語の慣用句によく現れるのは虻-蜂(3)蝿
と虻(1)、蚤と蚊(1)である。これらの句は、小さくて役に立たないという一般的
な性質を強調することがよくある。同じの虫ではない 2 匹の動物のイメージを含む慣
用句には牛‐蚊、蝿‐鳳凰などがよく現れ、弱者と強者の関係、またはその行為の結
果を表す。鶴と蟻の仕組みもあり、弱者と強者の関係ではなく性質が同じなものとい
う意味をする。その他、日本語の蚤‐蛙、猿‐蚤の仕組みは社会現象、または人の普
通の行為を指す。
さらに、著者は比較の表現を持つ慣用句を 11 句統計できた(13.1%を占める)。現
れる比較の表現を持つ慣用句の構成は以下のようである。
例 1:蟻の甘きにつく如し
例 2:蚊の鳴くよう
例 3:蚊の目ほど
11 句の中 9 句は如し/よう/ほどの後に比較対象や比較要素がない。如し/よう/ほど
の後に比較対象や比較要素のある慣用句は 2 句しかない。
例 1:蝿を打つより 易し
例 2:牛 ほどな蚤
Ngô Minh Thủy (2006) は慣用句を調べ、日本人の言葉遣いの習慣の特徴を述べら
れた。それは直接にものごと、人の性質を言わない特徴と直接の比較方法をあまり使
わない特徴である。「虫」を含む慣用句を通じて、その特徴をより理解できるように
なった。
2.ベトナム語における「虫」を含む慣用句

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2.1. ベトナム語における「虫」を含む慣用句の統計
『ベトナム語の慣用句辞典 』Nguyễn Lực, Lương Văn Đang (1993) と『ベトナム語
辞典』Hoàng Phê (2019) から慣用句を見つけ、全部 39 慣用句を統計できた。その中
に 15 の「虫」が利用されている。
〈表2〉:ベトナム語の慣用句にある虫
虫の名

(ハチ)

(アリ)

(チョウ)

(シラミ)
飛蝗
(バッタ)





8

20.5%

6

15.4%


4

10.3%

4

10.3%

3

7.7%

虫の名

(カ)

(ハエ)

(ムシ)

(ノミ)





2

5.1%


3

7.7%

2

5.1%

2

5.1%

虫の名
蜉蝣
(カゲロウ)

(ホタル)

(カイコ)
灯蛾
(ヒガ)


蜘蛛

2

(クモ)


5.1%

(セミ)





1

2.6%

1

2.6%

2

5.1%

1

2.6%

1

2.6%

著者が調べたベトナム語の慣用句の範囲に 15 つの「虫」のイメージが現れている。
その中に、最も多く利用されているのは蜂(39 の中に 8 つ)、次には蟻(6)、蝶と

虱(4)である。最も少ないのは蜘蛛、灯蛾、蛍、蝉(1)である。虫の各種類の出現
どうとう

頻度に差が大きくないので、ベトナムの文化にある以上の虫の存在は同等だと考えら
れる。
2.2.ベトナム語における「虫」を含む慣用句の分析


蟻 (アリ)
ベトナム語に蟻のイメージのある慣用句小さな虫である蟻の固有の特性に由来す

る小さなものの意味を使用している。そして、集団として 1 つのところに集まる特性
も慣用句に入る。
例1:Đông như kiến
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(蟻のように混んでいること。)
例 2:Bé bằng con kiến
(蟻のように小さいこと。)
人の思いにある無力の蟻も慣用句に現れる。
例:Kiến bò miệng chén
(茶碗の口縁に這う蟻。自分の思いや考えを抜けられない。)
「アリが這う」という行為によって蟻は無力なものと表現される。「アリが這う」
の行為も人の心配する気持ちを表す。
6 句の中、4 句が消極的な意味を持つ。2 句が中性的な意味を持つ。


蝉(セミ)
39 句の中に、1 句のベトナムの慣用句が蝉のイメージを含くむ。

その意味は蝉の固有の特性に由来する。
例:Mình gầy xác ve
きゅうくつ

(非常に 窮屈 になる)


蚊 (カ)
ベトナム語にも蚊のイメージを含む慣用句は蚊の固有の特性に由来する小さく、混

んでいる意味を使用する。
例 1:Muỗi đốt chân voi
(像の足を蚊が刺す。何も効果がなく、感じないこと)
例 2:Muỗi như trấu
(蚊が多い)
2 句も積極的な意味を持つ。


蚕(カイコ)
蚕を含む慣用句が 39 の中に 2 句しかない。
くわ

その意味は桑の葉を食べてシルクを作る蚕の画像を借りて、人間の忙しさと比較す
ることである。
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例:Trăm dâu đổ đầu tằm
(何の仕事でもしなければならない)
1 句は桑の葉をたくさん食べる蚕の固有の特性に由来する。

例:Ăn như tằm ăn rỗi
(たくさん食べる)
1 句が消極的な意味を持つ。2 句が中性的な意味を持つ。


蜉蝣 (カゲロウ)
蜉蝣を含む慣用句が 39 の中に1句しかない。その意味は人の思いにある蜉蝣のイ

メージに由来する。それは蜉蝣のように仕事を適当にするという意味である。
例:Chuồn chuồn đạp nước
(蜉蝣は水を触れる。仕事を適当にすること)
慣用句が消極的な意味を持つ。


蜘蛛 (クモ)
ベトナム語にも蜘蛛を含む慣用句が 39 の中に 2 句しかない。その意味は網がある

蜘蛛の固有の特性から由来する。
例:Chằng chịt như mạng nhện
(網のように細かく張り巡っているもの)
クロスズメバチのイメージと共に現れる慣用句は 1 句ある。加害者と被害者の関係
を示す。
例:Tò vò nuôi nhện
(悪い行いをするが偽善ぶりにする。)
1 句が消極的な意味を持つ。1 句が中性的な意味を持つ。


虱 (シラミ)
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